市況研究社

トウモロコシ相場 不均衡の累積的な連鎖

更新日: 2020年10月23日(金)

昨夜発表された米国トウモロコシの船積みと輸出成約高は下記の通り。中国は米国トウモロコシについて、「2020/2021市場年度」で必要とする量をすでに買い付けた可能性が高い。

米国トウモロコシの船積み累計と輸出成約残高(2020年10月15日時点)
2020/2021市場年度(2020年9月1日~2020年10月15日時点)
仕向け地    船積み累計      輸出成約残高
日本向け    60万7,800トン   334万1,900トン
韓国向け    33万2,800トン      5,900トン
台湾向け     5万7,800トン    39万1,200トン
中国向け    173万5,000トン   881万4,300トン

10月15日時点で中国向け船積み累計が「173万5,000トン」、同輸出成約残高が「881万4,300トン」、合計すると「1054万9,300トン」になる。中国は米国トウモロコシだけで、すでに「約1055万トン」手配しており、このあとさらに増えるとは考えにくい。

価格形成の構造とパターン

市場分析のもっとも重要な目的は、価格形成の構造とパターンを見つけることだと考えています。
人びとの目には混沌しか見えないところに構造と秩序を見つけること。わかいやすく喩えると、高校で習った数列の漸化式を解くようなもの。それによって、次に何が起こるかを予測したいわけです。

(ⅰ)シカゴ(CBOT)トウモロコシ期近「2020年12月限」は、9月30日の全米在庫あたりから価格形成の構造とパターンが変わった。

(ⅱ)その一方で、シカゴ(CBOT)トウモロコシ先限「2021年=12月限」の構造と秩序は変わっていない。9月18日につけた「2021年12月限の高値=3ドル93セント25」は現在でも「基本の高値」として作用している。9月18日から1カ月経っても基準はそのままです。

本年(2020)9月18日から1カ月余り、これまでと異なるあたらしい思惑が期近「2020年12月限」に流入した。それは中国による米国トウモロコシ購入を契機にして、中国の「大連トウモロコシ先物」に連動する価格形成の思惑がシカゴ(CBOT)期近に持ち込まれたように思います。期近がここ1カ月の間に別物に変わった。

不均衡の累積的な連鎖(procyclicality)

義務教育で教える「社会」では、価格が高騰すると需要が減少するというような均衡理論を教える。しかし、実際の現実は、不均衡の累積が連鎖的に拡大することがある。金融市場では不均衡の累積的な連鎖をプロシクリカリティ(procyclicality)と言っている。

需要と供給においても、相場が下落するときは、商品を手持ちしている人が売り急ぐだけではなしに、思惑的な先安観も手伝って供給が増加し、需要についても、本当に目前に必要なものしか買わなくなるので、相場が下げれば下げるほど供給が増加し、需要が委縮する事態になる。反対に、相場が高騰するときは、高くなればなるほど需要が増えるという現象が発生する。先高観から思惑的な仮需が台頭し、その連鎖が拡大するので、相場をますます押し上げようとする。さらに商品を手持ちしている人は売り惜しむので、最高値で供給がひっ迫する。

しかし、こうした不均衡の累積は永延と続くものではなく、いわゆる「平均への回帰」が起こる。2020年はもはやコモディティ・バブルの再現はないので、連鎖反応が一巡すると、原動力を失うと考えています。

シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物の「期近=2020年12月限」と「先限=2021年12月限」を比較しました。「先限=2021年12月限」は、1カ月以上前の9月18日高値=3ドル93セント25(基本の高値) から動いていない。今朝の「2021年12月限」も3ドル96セント50です。金利・倉敷料を考慮すると、現在のシカゴ(CBOT)期近12月限、2021年3月限、同5月限、同7月限は実質的に逆ザヤです。

期近CBOT 2020年12月限            先限CBOT 2021年12月限
日付  始値  高値  安値  帳入値     始値  高値  安値  帳入値
10/22 413'75 419'00 410'75 416'25 +2'50  399'25 399'50 395'75 396'50 -3'00
10/21 408'25 415'25 407'75 413'75 +5'00  400'00 401'50 399'00 399'50 -0'75
10/20 404'25 409'75 403'50 408'75 +3'50  397'75 400'50 397'00 400'25 +2'25
10/19 401'75 406'75 400'75 405'25 +3'25  396'25 398'75 396'00 398'00 +2'25
10/16 403'25 409'00 401'75 402'00 -1'75  395'00 397'00 394'00 395'75 +1'00
10/15 396'00 404'25 393'50 403'75 +7'25  393'50 396'25 391'00 394'75 +1'00
10/14 391'00 397'50 388'00 396'50 +5'25  394'75 394'75 392'00 393'75 -1'25
10/13 389'00 392'75 388'00 391'25 +2'25  393'25 395'50 392'50 395'00 +2'25
10/12 395'50 399'25 387'25 389'00 -6'00  396'50 398'00 392'25 392'75 -4'00
10/09 387'00 398'25 386'50 395'00 +8'00  391'25 397'25 391'25 396'75 +4'25
10/08 389'00 394'50 386'50 387'00 -1'75  395'00 397'25 391'75 392'50 -3'00
10/07 384'50 392'00 384'00 388'75 +3'75  394'75 398'00 394'00 395'50 +0'50
10/06 378'50 389'25 378'50 385'00 +5'50  391'00 396'25 390'25 395'00 +3'50
10/05 378'75 382'50 377'75 379'50 -0'25  390'00 392'50 389'50 391'50 +0'50
10/02 381'50 383'25 377'25 379'75 -3'00  392'00 393'50 390'25 391'00 -2'25
10/01 379'00 385'50 378'00 382'75 +3'75  391'00 395'00 390'25 393'25 +1'75
09/30 364'25 382'75 362'00 379'00 +14'25  382'50 396'00 381'25 391'50 +8'50
09/29 366'75 367'75 361'00 364'75 -2'00  383'25 384'50 380'50 383'00 -1'50
09/18 374'25 379'25 373'25 378'50 +3'25  389'00 393'25 388'00 393'25 +3'75

飼料穀物および大豆の海上運賃

株式会社エクセノヤマミズは日本で唯一の「バルチック海運取引所」パネルブローカーです。「山水インデックス」は米国メキシコ湾から日本向け、ばら積み穀物のスポット運賃 (ドル/トン) をスプラマックス/ウルトラマックス型で毎週発表している。今週10月22日(木)の発表で、山水インデックスが下落した。

Ocean Freight Rate Estimates 2020
         山水インデックス    アメリカ穀物協会
        ハンディマックス    パナマックス
日付      U.S.ガルフ-日本    U.S.ガルフ-日本   PNW-日本
10/22(20)     44.00        42.50       23.75
10/15(20)     46.00        43.00       23.75
10/08(20)     46.00        43.25       23.75
10/01(20)     46.00        43.25       23.75
09/24(20)     45.50        43.25       23.75
09/17(20)     45.50        43.50       23.75
09/10(20)     45.50        44.00       24.00
09/03(20)     46.00        45.00       24.75
08/27(20)     46.00        45.00       24.75
08/20(20)     46.50        44.50       24.25
08/13(20)     46.50        44.50       24.25
08/06(20)     46.50        42.50       22.75