市況研究社

原油相場 2019年3月8日(金)

前日の相場(欧米では3月6日)で、買い方はブレント原油を猛烈に買ってきた。

2月中旬以降の債券、為替、株式、原油市場は、ファンダメンタルズからちょっと逸脱しており、異様な感じを受ける。

昨日の「日報」(為替)では、次のように記しました。本年(2019)1-3月相場は(ⅰ)米中の通商協議や(ⅱ)英国のEU離脱が焦点になっている。しかしながら、市場の思惑人気はこれらに慣れてきており、「ちょっと慢心している」のではないかと思います。とくに2月14-15日あたりから市場の気分とか雰囲気が<リスクに対して寛容になった>と感じています。それが今も続いています。

こうした市場の雰囲気は人間の心の中で作用している思惑の連鎖と考えています。景気サイクル終盤のプロセスは、不透明感をともなった長い経路をたどるので、いろいろ想定しながら臨んでいきたいと思います。

昨日3月7日(木)のアジア査定価格

昨日3月7日(木)のシンガポール時間午後4時30分(東京時間午後5時30分)のアジア査定時間には「オマーン原油期近1番限のマーカー価格=66.53ドル」、「ドバイ原油期近1番限=66.50ドル」に上昇した。そのとき、国際原油取引の指標であるブレント原油期近1番限は「66.21ドル」であった。アジア市場の「オマーン」「ドバイ」が再び「ブレント原油」以上の高値を付けた。

<昨日3月7日(木)シンガポール時間午後4時30分(東京時間午後5時30分)
ブレント原油(ICE)5月限   66.21ドル
オマーン原油(DME)5月限   66.53ドル
ドバイ原油期近1番限      66.50ドル

中東産サワー原油の指標が高騰

原油には性状格差があり、性状格差から言えば、軽質原油は重質原油より高い。サウジアラビアのアジア向け調整項(OSPs)でも 軽質 > 中質 > 重質 の販売政策です。ロシアのESPO原油も「$2.40+ドバイ原油」というように表示されます。

ところが、本年(2019)2月相場からは「アジア市場のマーカー原油」である「中東産サワー油種」が高値に舞い上がっている。「軽質スウィート」であるブレント原油より高い。2月14日のアジア査定時間には「ブレント原油+1ドル」を記録した。

イランやベネズエラに対する経済制裁、それによって中重質サワー原油の供給が減少すると思惑し、中東産サワー原油の指標をプレミアムをつけて買い上げている。世界的に軽質スウィートはじゃぶじゃぶ、その反面、「中重質サワーがタイト」という思惑が台頭した。アジア太平洋地域の「ドバイ・リンク」の油種は、「ブレント・リンク」と比較して割高になっている

当社では、2月相場から中東産サワー油種の異常高をお伝えしています。いずれ<性状格差を反映した平均への回帰>を展望しています。現在のところは、サウジアラビアのアジア向け4月積み調整項の引き上げなどがあり、サウジアラビアのマネジメントが通用していても、それがいつまでも続くわけがないと考えています。現在の流行を、将来の推定の基準にすることはできません。

一方、大手メディアの市況ニュースは「米国原油在庫」や「ガソリン在庫」を一面的に伝えるだけで、<中東産中質サワー油種の異常高>への言及はない。米国の「WTIが安い/高い」という与太話はそこらに山ほどあっても、われわれにとって重要なアジア市場のマーカー原油について分析する記事はない。そうしたなか、やはりと言うべきか、アジア市場の査定機関のプラッツ社だけは、昨日3月8日(木)のニュースの中で<中東サワー原油の異常高>を伝えていた。

プラッツ社の記事

たいしたことは書いていませんが、下に転載して紹介します。

Oil 07 Mar 2019 | 12:17 UTC Singapore

Dubai crude oil at month-to-date high against Brent
on divergent supply fundamentals

Singapore — Platts cash Dubai crude oil assessments for May hit a month-to-date high against Brent assessed at the close of Asian trading on Thursday.

The May Dubai cash assessment stood at $66.50/b as of 0830 GMT, while May Brent cash was assessed at $66.08/b, 42 cents/b below the medium sour crude grade, according to Platts data.

Medium sour crude grades like Dubai usually trade at discounts to light sweet crude such as Brent. Dubai has only been at a premium to Brent a handful of times throughout its pricing history.

However, this is the second month in a row where the "lower quality" crude grade has surged past Brent prices. Last month, Dubai also flipped into a premium over Brent, and rose 52 cents/b over the latter at one point on February 14, Platts data showed.

Global crude supply fundamentals have diverged in recent months as volumes of medium and heavy sour crude become more difficult to procure relative to more "premium" grades with lower sulfur and better product yields.

The Brent/Dubai Exchange Futures for Swaps spread is a key spread for traders to gage the relative strength of Brent-linked crude derivatives with Dubai-linked ones.

A narrow EFS indicates that medium sour crudes are relatively expensive compared to light sweet barrels. The "imbalance" typically triggers arbitrage flows from the West to East, widening the spread in turn.

However, the EFS has remained firmly under $1/b for the past two months, according to Platts data. It averaged 51 cents/b over February, and despite rising at the start of March, dropped to 27 cents/b as of Wednesday.