-原油相場_2019-09-11
市況研究社

原油相場 2019年9月11日(水)


当社「日報」では8月から9月、<あたらしいレンジ相場の追求>という観点で分析しています。

それは、<本年(2019)2月~5月の行き過ぎた高値>を6~7月相場で水準是正を達成したあとは、<あたらしいレンジ相場の追求>になると考えるからです。

原油相場が本年2月~5月に異常な高値を付けたあと、それを6月~7月に是正したので、当面は火を噴くような高値、奈落に落ちるような安値はないと考えています。当面はレンジ相場で揉み合う可能性が高い。

国際原油取引のブレント原油先物では、期近の「62-63ドル」はレンジ上限と思います。

レンジ相場では、レンジ上限に戻したとき、「買い人気」が増加し、ムードが「強気」に傾きます。

ボルトン解任について

本日の「日報」は、米EIAが昨夜発表した「短期エネルギー需給見通し」に焦点を当ててお伝えします。トランプ米大統領がボルトン大統領補佐官を解任したが、当社では相場材料しません。ただ、ボルトン解任をニュースに取り上げるところもあるので、このかんの経緯と当社の意見を簡単に記します。

●9月25日の米国とイランの会談をめぐる

先週9月5日(木)、米国から今月下旬の国連総会に合わせて、イランに対しトランプ大統領とロウハニ大統領による初の首脳会談開催を打診していたことが明らかになった。「9月25日」を軸に調整していると伝えられた。

米国のトランプ大統領は、中東で生起する問題をイランにその責任を求め、その一方で、イスラエルやサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などには好き勝手をやらせている。当社では、そんな状態で、果たして米国とイランが首脳会談をして何が得られるのか疑問に思っているので、このかん、この手のニュースは無視しています。

そうしたなか昨夜9月10日、トランプ米大統領が ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任した。北朝鮮やイラン、アフガニスタン、ロシアなどとの外交政策を巡る見解の相違が理由と取り沙汰された。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「ボルトン氏に昨夜、ホワイトハウスでの勤務はもはや必要ではないと伝えた。私も政権内の他の人間もボルトン氏の提案の多くに同意できなったかった」と述べた。ホワイトハウスのグリシャム報道官は「多くの問題」がボルトン氏解任の決定に至ったとしつつも、詳細には踏み込まなかった。ロイターの報道によれば、トランプ大統領に近い高官らは、大統領がボルトン氏の強硬姿勢にうんざりするようになっていたと話す。

ボルトン氏と対立していたポンペオ米国務長官は10日、トランプ米大統領が「前提条件なし」にイランのロウハニ大統領と会談する可能性があると語った。

当社では率直に言って、「トランプ大統領とロウハニ大統領の首脳会談」はまだ、相場材料にできる環境ではないと考えています。 9月25日にそうした会談があったとしても、材料にするのは難しいと思います。

それよりも、冒頭でも記したように、米EIAが昨夜発表した「短期エネルギー需給見通し」をベースにレンジ相場を展望します。

9月の短期エネルギー需給見通し(2019~2020)

※2019年7月に米メキシコ湾の原油生産が急減したのは、7月第2週に米メキシコ湾で発生した熱帯低気圧の影響です。

※2019年9月も米メキシコ湾の原油生産が減少していますが、9月初めのハリケーン「ドリアン」の影響が少しあったかもしれません。

※今年の初めの予想では、米メキシコ湾の原油生産に対する投資が続き、来年(2020年)にかけて米メキシコ湾の原油生産が「日量240万バレル」に増加する見通しであった。しかし、米メキシコ湾の増産計画は遅れているようです。

米内陸部のシェール・オイルの増産は、年初の予想より急拡大しています。パイプラインが整備され、今秋から稼働するところもあります。7-8月以降の「内陸48州」の増産が顕著で、米国原油生産の拡大を牽引しています。

当社では、2020年に向けた米国原油増産を背景に、ブレント原油期近の「62-63ドル」はレンジ上限と思います。

ブレント原油期近がレンジ上限の「62-63ドル」に戻すと、市場ムードは「強気」に迎合するようになる。レンジ相場は、「レンジ上限」や「レンジ下限」で人気が一方向に傾き、商いが増加する傾向がある。

当社は、<本年(2019)2月~5月の行き過ぎた高値>を6~7月相場で水準是正を達成したあと、当面、火を噴くような高値、奈落に落ちるような安値はないと考えています。<あたらしいレンジ相場の追求>です。

米国は今秋以降、パイプラインの稼働によってシェールオイルの増産が続き、原油増産を背景に原油在庫も増加に転じていきます。米EIAが昨夜発表した2020年に向けた需給見通しはそれを指し示しています。

データ 米EIAの短期見通し

Release Date: September 10, 2019
単位:日量  青色は予想

             ┏━━━ 内訳 ━━━┓
    米国の原油生産 アラスカ メキシコ湾        米国の
      1日あたり   油田  海底油田 内陸48州   原油在庫

12月(2020) 1350万バレル (48万  211万  1091万)  4億7810万バレル
11月(2020) 1350万バレル (50万  207万  1094万)  4億8640万バレル
10月(2020) 1331万バレル (50万  188万  1093万)  4億8480万バレル
09月(2020) 1340万バレル (53万  198万  1089万)  4億7030万バレル
08月(2020) 1331万バレル (48万  199万  1084万)  4億6930万バレル
07月(2020) 1319万バレル (38万  204万  1078万)  4億7190万バレル
06月(2020) 1322万バレル (46万  205万  1071万)  4億8260万バレル
05月(2020) 1321万バレル (50万  207万  1064万)  4億9420万バレル
04月(2020) 1313万バレル (50万  207万  1056万)  4億9030万バレル
03月(2020) 1307万バレル (51万  206万  1049万)  4億8580万バレル
02月(2020) 1300万バレル (51万  205万  1044万)  4億7100万バレル
01月(2020) 1296万バレル (51万  204万  1041万)  4億5820万バレル

12月(2019) 1292万バレル (49万  203万  1040万)  4億4950万バレル
11月(2019) 1285万バレル (49万  200万  1035万)  4億5360万バレル
10月(2019) 1258万バレル (50万  181万  1027万)  4億4860万バレル
09月(2019) 1255万バレル (50万  190万  1015万)  4億3040万バレル●現在
08月(2019) 1243万バレル (46万  199万  998万)  4億2300万バレル
07月(2019) 1177万バレル (39万  158万  980万)  4億3860万バレル
06月(2019) 1208万バレル (45万  191万  972万)  4億6440万バレル
05月(2019) 1211万バレル (47万  190万  973万)  4億8020万バレル
04月(2019) 1213万バレル (48万  198万  968万)  4億6880万バレル
03月(2019) 1189万バレル (48万  191万  950万)  4億5930万バレル
02月(2019) 1167万バレル (49万  172万  946万)  4億5170万バレル
01月(2019) 1186万バレル (50万  191万  945万)  4億4880万バレル

12月(2018) 1204万バレル (50万  191万  964万)  4億4180万バレル
11月(2018) 1200万バレル (50万  195万  955万)  4億4860万バレル
10月(2018) 1163万バレル (49万  175万  939万)  4億3250万バレル
09月(2018) 1150万バレル (47万  180万  923万)  4億1610万バレル
08月(2018) 1136万バレル (43万  195万  898万)  4億0690万バレル
07月(2018) 1089万バレル (39万  187万  863万)  4億0930万バレル