市況研究社

原油相場 ボス交と官製相場

【2019年12月13日(金)】 当社では、本年2~4月の行き過ぎた高値を5~6月相場で是正したあとは、当面火を噴くような「上昇相場」や 奈落に落ちるような「下降相場」はないとお伝えし、ブレント原油期近で言えば「上は64-65ドル」「下は57-58ドル」のレンジ相場を想定しています。

今朝の情勢について、ボス交と官製相場として特徴付けます。

ボス交(米中貿易協議)

本日12月13日(金)朝、いろいろ調べてみたのですが詳しいことはわかりません。米国は「中国による米国農産物購入などの約束」を手にし、中国は「米国の関税引き下げ」を手にした。

トランプ米大統領が中国との貿易協議で承認したという第1段階の合意案は、おおよそ下記のようなものです。

(ⅰ)米国は中国に対し、現行の、約3600億ドル相当の中国製品に課されている関税率を半分に引き下げる。
(ⅱ)さらに米国は、12月15日に発動予定の1560億ドル相当の製品に対する対中追加関税の発動も見送る。
(ⅲ)中国は米国農産物を「2020年に500億ドル相当購入」する。
(ⅳ)米国は中国が合意通りに米国産農産物を購入しなければ、いわゆる「スナップバック条項」に基づき関税は元の水準に引き上げる。
(ⅴ)ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と崔天凱・駐米大使は12月13日、合意案の大枠について署名する。
(ⅵ)第1段階の合意には、上記に加えて、知的財産権侵害防止策を強化する中国のコミットメントや、為替操作をしないという双方の一致した見解も盛り込まれる。

●報道

「条件では一致したが、法的文書はまだまとまっていない。」(ブルームバーグ)

「パーデュー米農務長官は12月12日、中国の当局者らはトランプ大統領に米国産農産物を400億-500億ドル相当(約4兆4000億-5兆5000億円)購入するとしたが、契約を交わすことには後ろ向きだと述べた。中国がどれぐらいの規模の農産物をどれぐらいの期間に購入するかが重要な問題として残っている。」(ブルームバーグ)

「米農務省のデータによると、貿易戦争前の2017年に中国が購入した米農産物は240億ドルで、今回約束された規模はこの倍以上となる。ホワイトハウスは正式な発表を行っておらず、こうした条件が双方の合意によるものなのかは疑問が残る。」 (ロイター)

官製相場

「サウジアラムコの企業価値をめぐっては、ムハンマド皇太子はかねて2兆ドルを主張していた。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー産業鉱物資源相も、アラムコ上場後には数カ月内に評価額が2兆ドル(約217兆円)を突破すると語っていた。」(ブルームバーグ)

「サウジアラビア証券取引所タダウルに12月11日に上場した国営石油会社サウジアラムコの株式は12月12日の取引開始直後に前日比でおよそ10%上昇し、時価総額が一時2兆ドルを突破した。サウジアラビアの実力者ムハンマド皇太子が主張してきた企業価値を上場2日目で達成し、メンツを保った。」(日本経済新聞)

NHK NEWS WEB は以下のように伝えた。

12月11日に上場されたサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」の株は、取引2日目も値上がりし、時価総額はムハンマド皇太子が目標にしていた2兆ドルを一時超えました。国内の強い需要が反映されたものですが、海外の投資家からは疑問の声も出ています。

サウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」は12月11日、首都リヤドにある証券取引所に株式を上場し、上場直後に付いた株価は国内の強い需要を反映して売り出し価格より10%高い1株35.2サウジリヤルでした。

12月12日も値上がりが続き、株価は一時前日の終値に比べて、さらに10%近く高い1株38.70サウジリヤルにまで値上がりしました。このため時価総額も一時2兆ドルを超えて、計画を主導したムハンマド皇太子が目指していた目標に到達しました。取引2日目終値の時価総額は2兆ドルにわずかに届いていません。

欧米メディアは、国内の資産家らに対して上場後に高値で株を購入するよう圧力がかけられたとの疑惑を伝えています。市場関係者も「高値に誘導する政府主導の官製相場ではないか」と指摘しており、2兆ドルを超える企業価値に疑義を唱える声も出ています。(NHK)

※投資型の経済に舵を切ろうとしているサウジアラビアにとって中核を担うのが政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」、PIFがフル回転するためにはサウジアラムコのIPOによる大量の資金投入が不可欠。しかしながら、計画は大きな変更を余儀なくされた。今回は国内のみであり、IPOの4割以上を中核投資家でカバーするとしている。中核投資家とは王族や国内の富裕層のことを指すが、その実態は「彼らに対して半ば強制的にサウジアラムコ株を高値で割り当て、450億ドル以上の資金を調達する」との見方が一般的である。

当社の立場と意見

米中貿易協議もサウジアラムコ上場も、なんとも言うのが難しいところです。

当社では、本年2~4月の行き過ぎた高値を5~6月相場で是正したあとは、当面火を噴くような「上昇相場」や 奈落に落ちるような「下降相場」はないとお伝えし、ブレント原油期近で言えば「上は64-65ドル」「下は57-58ドル」のレンジ相場を想定しています。