市況研究社

原油相場 当面のレンジ下辺を探る段階

【2020年2月4日】 今朝の欧米取引で、ブレンド原油(ICE)は「54ドル台」で同ザヤとなった。ブレント原油期近2020年4月限も、次の5月限も、さらに6月限も7月限も、2023年5月限まですべて「54ドル台」になったわけです。

ブレント原油先物(ICE) 2020年2月3日(月)
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比
04月限 2020  56.16  56.77  54.08  54.45  -2.17
05月限 2020  55.89  56.60  54.22  54.61  -1.81
06月限 2020  55.69  56.46  54.38  54.73  -1.51
07月限 2020  55.42  56.26  54.31  54.67  -1.31
08月限 2020  55.25  56.11  54.29  54.62  -1.17
09月限 2020  55.00  55.97  54.23  54.56  -1.05
10月限 2020  54.63  55.79  54.18  54.48  -0.93
11月限 2020  54.51  55.60  54.14  54.42  -0.83
12月限 2020  54.66  55.47  54.05  54.34  -0.73

国際原油取引の指標である「ブレント原油先物」(ICE)の相場表は、「価格形成の構造と秩序」を表示しています。それがようやく、今朝の欧米取引時間に「54ドル台=同ザヤ」になった。

当社では、これをメルクマールとして、当面の原油相場は<レンジ下辺>を探りに入った可能性が高いと考えます。

昨年(2019)の原油相場でも、9月16日にサウジアラビアの石油施設が被弾するまえは「ブレント原油期近 55ドル以下を思惑するのはちょっと難しい」とお伝えした経緯があります。昨年9月16日までは、ブレント原油期近で「64-65ドルがレンジ上辺、55ドル以下はレンジ下辺」と記し、9月16日以降は「+2ドル」引き上げて「64-65ドルがレンジ上辺、57-58ドルがレンジ下辺」とお伝えしました。ブレント原油先物では、期近1番限から「55ドル」あたりに下げると、各限月の価格差が縮小し、価格形成の構造と秩序が「同ザヤ」になっていきます。

今回、1月相場から水準是正の下げで「どこで同ザヤになるのか?」と見守ってきましたが、ようやく今朝の欧米取引「ブレント原油=54ドル台」で同ザヤになった。

当社では「ブレント原油=54ドル台の同ザヤ」は、価格形成の構造と秩序が<当面のあたらしい段階に入った>と考えます。当面の<レンジ下辺>を探りに入った可能性が高い。ここから新規売りはお奨めできません。

当面の情勢について

一昨年(2018)秋以降、景気サイクル終盤の分析を続けています。当社では「資源・エネルギーバブル」の再燃はないとお伝えして、3つの点を記しました。

景気サイクル終盤の分析
1.米国で原油増産が進み、米国の原油輸出入は様変わりとなった。
2.中国など新興国市場の成長ダイナミクスが鈍化し、需要の伸びが失速している。
3.石油製品の精製マージンが低迷し、原油処理量も前年同期を下回っている。

中国の新型コロナウイルスの影響
(1)中国における新型コロナウイルスの発生とその流行によって、人々が感染を警戒し、不必要な旅行や外出を控えるようになれば、「ガソリン」や「ジェット燃料」などに影響を与える。企業活動が制限されると「燃料油」全般に前年対比で減少する公算が大きい。
(2)中国国内の「ガソリン」あるいは「燃料油」需要が減少すると、中国製油所の余剰生産物は輸出市場に仕向けられる。
(3)輸出市場が悪化すると、全体のファンダメンタルズが軟化する。
(4)中国の石油製品輸出は、アジア地域のファンダメンタルズの重石になる。中国からの石油製品輸出が拡大すれば、アジア市況のシンガポール石油製品が「ディスカウント・レベル」で推移することになる。現在の情勢では、本年3月にかけてアジア市況の軟化が考えられる。

プラッツ社によれば、浙江石油化工有限公司の新設製油所(日量40万バレル)が2019年12月に操業を開始した。それによって一段と、中国の余剰石油製品が輸出市場に供給される公算が大きい。本年3月にかけてファンダメンタルズが弱いと考えています。ブレント原油先物が「54ドル=同ザヤ」となり、当面の価格形成の構造と秩序があたらしい段階に入っているので、これから先を見なければならない。

本日2月4日(火)のドバイ原油 -940円安見当

本日2月4日(火)の東京(TOCOM)のプラッツ・ドバイ原油期近2月限は「53.25ドル」あたりで始まる可能性が高い。

為替は「1ドル=108.80-108.60-108.40-108.20円」

為替が「1ドル=108.60円」なら、TOCOM プラッツ・ドバイ原油期近2月限は「36,370円/KL」
前日比「-940円安」見当です。