市況研究社

原油相場 0.382戻り

【2020年2月20日(木)】 昨日のプラッツ社の記事に「中国の石油精製会社の買い意向がコロナウィルスによる需要後退懸念を和らげた」との記述があった。

中国におけるコロナウイルスの発生によって「1月24日~1月30日」の春節休暇が「2月2日」あるいは「2月9日」に延長された。先週から中国企業が再開に動き出すと、原油相場も「2月4日-10日」の同ザヤ圏から戻りを伺うようになった。

昨日は中国の石油精製会社の原油調達が浮上し、それが思惑人気に波及した可能性が高い。そういうことだろうと思います。

戻りの目安 0.382戻り

相場の戻りを考えるとき、市場参加者のなかでひろく知られている指標で考えなければならない。よく知られた指標は「62%」「50%」「38%」です。

原油の下げ幅
ブレント原油   1月8日高値    2月10日安値   下げ幅
2020年3月限    71.75   
2020年4月限    70.99   →  53.11     17.88ドル
2020年5月限    70.25   →  53.42     16.83ドル
2020年6月限    69.49   →  53.81     15.68ドル
2020年7月限    68.66   →  53.99     14.67ドル
2020年8月限    67.95   →  54.19     13.76ドル

ブレント期近2020年4月限が「59.90ドル」あたりに戻すと「0.382戻り」です。

戻りの目安
ブレント原油     0.382戻り     0.50戻り    0.618戻り
2020年3月限      --
2020年4月限     59.94ドル     62.05     64.16
2020年5月限     59.85ドル     61.84     63.82
2020年6月限     59.80ドル     61.65     63.50
2020年7月限     59.59ドル     61.33     63.06
2020年8月限     59.45ドル     61.07     62.83

今朝の原油相場
ブレント原油先物(ICE) 2020年2月19日(水)
限月      始値   高値   安値  帳入値   前日比
04月限 2020  57.60  59.40  57.51  59.12   +1.37
05月限 2020  57.46  59.03  57.24  58.72   +1.21
06月限 2020  57.44  58.89  57.27  58.58   +1.06
07月限 2020  57.33  58.67  57.16  58.35   +0.94
08月限 2020  57.29  58.56  57.13  58.24   +0.87
09月限 2020  57.21  58.44  57.04  58.14   +0.84
10月限 2020  57.11  58.32  56.97  58.02   +0.82

相場がもとに戻るわけではない

当社「日報」でも、中国の新型コロナウイルスの影響を次のように想定しました。

(1)中国における新型コロナウイルスの発生とその流行によって、人々が感染を警戒し、不必要な旅行や外出を控えるようになれば、「ガソリン」や「ジェット燃料」など燃料油需要に影響を与える。動きが制限されると燃料油全般に前年対比で減少する公算が大きい。

(2)中国国内の「ガソリン」あるいは「燃料油」需要が減少すると、中国製油所の余剰石油製品は輸出市場に仕向けられる。

(3)輸出市場が悪化すると、全体のファンダメンタルズが軟化する。

(4)中国の石油製品輸出は、アジア地域のファンダメンタルズの重石になる。中国からの石油製品輸出が拡大すれば、アジア市況のシンガポール石油製品が「ディスカウント・レベル」で推移することになる。現在の情勢では、本年3月にかけてアジア市況の軟化が考えられる。

足もとの需要は、移動の制限や自粛、航空会社の減便などで、ジェット燃料のクラックが低迷し、LNG(液化天然ガス)も重い。そのなかで、中国石油会社の原油購入の減少が取り沙汰され、余剰原油が備蓄に回されていると伝えられた。相場がもとに戻るわけではないと考えています。

当社では、2月4日-10日安値からの相場は「3月」あたりまで続くと考えています。

ジェトロの中小企業海外展開支援プラットフォームコーディネーターである広東真広企業管理顧問(TJCC)によれば、深セン市と東莞市内の顧客の日系企業の操業再開状況について、2月14日時点で操業再開済みの企業は回答137社中93社(67.9%)、まだ再開していない企業は44社(32.1%)だった。操業を再開した企業の従業員の復帰状況について聞いたところ、回答61社のうち、「80~100%が復帰済み」は10社(16.4%)にとどまり、「60~80%」が18社(29.5%)、「40~60%」が28社(45.9%)、「40%以下」が5社(8.2%)と、多くの企業が正常稼働にはまだ時間がかかる。深セン市では2月10日から操業再開が認められているが、多くの出稼ぎ労働者が戻ることができておらず、市内のある開発区では入居企業の従業員約1万2,000人のうち、復帰しているのは2,500人程度にとどまるという。