市況研究社

原油相場 DMEオマーン原油の高騰(2)

更新日: 2020年5月19日(火)

4月から5月相場で、ドバイ・マーカンタイル取引所(DME)のオマーン原油が、プラッツ・ドバイ原油との価格差をひろげて高騰している。当社では、4月から5月のDMEオマーン原油を買っているのは、主として中国の石油会社だと考えています。

中国の石油製品統制価格と原油購入

中国では「国家発展改革委員会」がガソリンなど石油製品価格を統制している。

「国家発展改革委員会」は2016年1月13日の公告で、石油製品統制価格の調整について「バレルあたり40ドル」の下限を設定した。

つまり、国際原油価格が「バレルあたり40ドル」以下になるとき、中国国内の石油製品価格の調整ウィンドウは閉じられる。中国国内の原油生産と石油精製産業を保護するために、石油製品価格の引き下げは見送られる。

そうすると、中国の石油精製会社は、中国国内の石油製品販売価格が支持されているので、「バレルあたり40ドル」以下の原油を買いあさることになる。

「人民網日本語版」2020年4月22日の記事を下に転載します。

「4月20日に米国産WTI原油の先物価格(5月限)が史上初の「マイナス価格」に落ち込んだのに続き、5月末に引渡しを迎えるロンドンICEの北海ブレント原油先物6月限がアジア市場の終盤にかけて下落局面に入り、これまでにない速いペースで下落を続けた。WTI6月限は市場の動きを受けて、上昇から下落に転じた。」「北京時間の4月21日午後5時30分時点で、WTI6月限は最安値が1バレル16ドルに達した。北海ブレント先物6月限は最安値が同18.94ドルになり、2002年以降の最安値を更新し、下落幅が一時は25%を超えた。」「国際市場の原油価格が暴落し、この価格計算周期における国際原油価格の変化率のマイナス値を拡大した。北京時間4月21日時点でビジネス情報サイトの中宇資訊が発表した試算では、原油価格の変化率はマイナス35.91%、原油価格は1バレル14.508ドルで基準価格を8.13ドル下回り、現時点では4月29日0時の石油製品の小売価格は1トン700元引き下げられる見込みとしていた。」「しかし、原油価格が1バレル40ドルを下回ったので、価格調整窓口は現在閉まっている。石油化学企業情報サイトの隆衆資訊も、かなりの確率で保護メカニズムが発動し、調整は行われないとの判断を示した。4月15日、中国国内の石油価格は保護メカニズムが発動して調整が行われず、2回連続の調整なしであった。

中国では「国家発展改革委員会」がガソリンなど石油製品価格を統制している。原油価格が1バレル40ドルを下回ると、中国国内の石油産業を保護するために石油製品価格の保護メカニズムが作動し、価格調整は見送られる。

中国の自国産業保護と価格支持制度

日本やシンガポール、韓国などは、新型コロナウイルスの感染とその対策で、4 - 6月期の石油製品需要が大きく落ち込んでいる。航空各社は運航便を削減し、緊急事態宣言発令による石油製品需要の落ち込みは解除後も急回復は見込み辛い。

元売り各社は、原油調達業務について、スポット市場での買い付けを手控え、長期契約分についても一部の先送りの検討が伝えられた。

これに対して、中国では石油製品価格の保護措置が作動しており、国際原油価格が1バレルあたり40ドル以下に下落しても、中国国内の石油製品価格の調整はない。

中国の石油精製会社にとっては、この石油製品価格支持制度を利用し、40ドル以下の原油を活発に購入していく動機になる。在庫をかかえることが「投資」になる。

おそらく、オマーン原油の主な輸出先は中国の可能性が高い。4-5月相場の中東原油の高さ、とくにドバイ・マーカンタイル取引所(DME)のオマーン原油の高さは、そうした中国石油精製会社の買いが背景にあると思います。