市況研究社

原油相場 熱帯低気圧「デルタ」

更新日: 2020年10月5日(火)

原油相場は昨日10月5日(月)のアジア終値(=アジア査定時間)のあと、一段高に反発した。この急伸は、熱帯低気圧「デルタ」(Delta)がこのあとハリケーンに発達し、米メキシコ湾の石油地帯に影響を及ぼすことを思惑した動きであった。今週の原油相場は、週末10月9日(金)まで、熱帯低気圧「デルタ」(Delta)の影響を受けると思います。

限月       昨日10月5日(月)午後5時30分  今朝の終値
ブレント原油 2020年12月限   40.16ドル   →  41.45ドル
ブレント原油 2021年01月限   40.67ドル   →  42.00ドル
ブレント原油 2021年02月限   41.06ドル   →  42.41ドル
ブレント原油 2021年03月限   41.47ドル   →  42.82ドル

熱帯低気圧「デルタ」(Delta)

(1)昨日10月5日(月)、カリブ海で熱帯低気圧「デルタ」(Delta)が形成された。
(2)メキシコ湾の海水温が高いことで、カテゴリー3程度のハリケーンに発達する。
(3)石油会社は10月5日(月)、メキシコ湾の海洋石油プラットフォームから退避を開始した。
(4)10月9日(金)、米メキシコ湾岸に上陸する。今週一週間、影響を受ける。

ところが「日本経済新聞」は今朝の電子版でも、想像力で「作文」を書いています。「10月5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3営業日ぶりに反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前週末比2.17ドル(5.9%)高の1バレル39.22ドルで取引を終えた。新型コロナウイルスに感染して入院中のトランプ米大統領が5日に退院する見通しと伝わった。投資家のリスク回避姿勢が後退し、原油先物には買いが優勢となった。10月2日に入院したトランプ氏の早期退院の観測を受け、米政治の混乱への過度な警戒感が和らいだ。米与野党が協議を続ける追加経済対策の合意期待も市場心理を支えた。米主要株価指数がそろって上昇し、株式と同様にリスク資産とされる原油先物も買われやすかった。米原油先物は2日に1カ月ぶりの安値を付け、5日は自律反発狙いの買いも入ったようだ。

ロイターなども当初は、(1)ノルウェーの賃上げをめぐるストライキや(2)トランプ大統領の早期退院の思惑などで、原油反発を「説明」していた。(1)ノルウェーのストライキ、(2)トランプ大統領の早期退院、(3)米国株式の反発。こうしたことを「材料」にして、昨日の原油反発を「解説」していた。

差し当たり注意すること

私が今朝見たとき、中心気圧は「980mb」(ヘクトパスカル)であったが、メキシコ湾の海水温が高いと伝えられているので、このあとカテゴリー3程度のハリケーンに発達する可能性が高い。
米本土への上陸が「10月9日(金)午後」とするなら、それまで米メキシコ湾の海洋構造物(プラットフォーム)の操業が停止し、石油タンカーの航路や配船も影響を受ける。

(1)石油は「国際的な需給」がテーマといっても、実際の市場人気は「米国」だけを見ていることが多い。とくに金融市場の投資資金は「米国データ」で動く。このため、米国のハリケーンは、目の前の印象として過大評価されやすい。
(2)プラットフォームなど、海洋構造物に被害が発生すると、その復旧には時間がかかる。陸上構造物は、パイプラインが破損しようと漏れ出そうと、2週間あれば復旧の見込みが立つが、海洋の場合は想像以上の日数を要することがある。
(3)米国現地10月9日(金)まで、今週一週間は「ハリケーン・デルタ」に注意します。

戻りの範囲について

(1)基本の高値=ブレント原油12月限 43.98ドル
本年(2020)の相場では、6月5日(金)から6月8日(月)にかけて、株式でも原油でも、市場人気が一方向に傾き、当面の価格形成においてテクニカル的に伸びきった高値をつけた。当社ではこれを「6月8日(月)=基本の高値」として印をつけています。
「6月8日=基本の高値」(43.98ドル)から上は、買いを持続するのがむずかしいとみなしています。
(2)罫線の窓(ギャップ)=44.56ドル
原油相場では、「6月8日=基本の高値」から上は、「3月6日」(金)と「3月9日」(月)の間の罫線の窓(ギャップ)が戻りを抑えている。当社では6月~8月相場で、「3月6日」(金)と「3月9日」(月)の間のギャップは埋めることがないとお伝えしてきました。
限月         3月9日(月)   3月6日(金)
ブレント原油12月限  44.56ドル● ~ 47.38ドル

本日10月6日(火)について

(1)為替
当社では、為替レート変動の重要な要因は内外金利差、さらにはそれを左右する先行きの金融政策スタンスの差と考えています。投資資金の動きは、長期債よりも短期債を目安にします。見ればわかるように金利指標はヨコにもみあっています。
本日10月6日(火)の為替は「1ドル=105.90-105.65-105.40円」を見当にします。

Daily Treasury Yield Curve Rates
     1mo 3mo 6mo 1yr 2yr 3yr 5yr 7yr 10yr 20yr 30yr
10/05  0.09 0.10 0.11 0.12 0.14 0.19 0.33 0.55 0.78 1.34 1.57
10/02  0.10 0.09 0.11 0.12 0.13 0.16 0.28 0.48 0.70 1.25 1.48
10/01  0.09 0.09 0.10 0.12 0.14 0.16 0.27 0.46 0.68 1.23 1.45
09/30  0.08 0.10 0.11 0.12 0.13 0.16 0.28 0.47 0.69 1.23 1.46
09/29  0.07 0.09 0.11 0.12 0.11 0.13 0.24 0.44 0.66 1.19 1.41
09/28  0.09 0.11 0.11 0.12 0.14 0.16 0.26 0.46 0.67 1.20 1.42
09/25  0.08 0.10 0.11 0.12 0.12 0.15 0.26 0.45 0.66 1.19 1.40
09/24  0.08 0.10 0.11 0.12 0.14 0.16 0.27 0.46 0.67 1.19 1.40
09/23  0.08 0.11 0.11 0.13 0.14 0.15 0.28 0.46 0.68 1.21 1.42

(2)中東原油(プラッツ・ドバイ原油)
本日の寄り付き前の試算です。
為替は「1ドル=105.90-105.65-105.40円」で計算します。

本日10月6日(月)のプラッツ・ドバイ原油の想定値
限月         想定価格  1ドル=105.65円で換算
ドバイ原油10月限   40.55ドル   26,940円   +740
ドバイ原油11月限   41.06ドル   27.280円   +790
ドバイ原油12月限   41.39ドル   27,500円   +790
ドバイ原油01月限   41.71ドル   27,710円   +770
ドバイ原油02月限   42.04ドル   27,930円   +720
ドバイ原油03月限   42.39ドル   28,170円   +710