トウモロコシの等級とその要件
●トウモロコシの等級と要件
トウモロコシの等級を決定する特性は容積重、熱損傷、総損傷、および破損粒&混入異物(BCFM)です。公的な等級証明書には水分含有量が記載されているが、試料の等級を決定する際に水分含有量は考慮しない。
1ブッシェルあたり 破損粒と異物
最低容積重 熱損傷 総損傷 BCFM
米農務省穀物検査規格(ポンド) % % %
U.S. No. 1 56.0 0.1 3.0 2.0
U.S. No. 2 54.0 0.2 5.0 3.0
U.S. No. 3 52.0 0.5 7.0 4.0
U.S. No. 4 49.0 1.0 10.0 5.0
U.S. No. 5 46.0 3.0 15.0 7.0
●総損傷率
総損傷率とは、熱損傷、霜害、害虫穴、損傷芽、病害や気象による損傷、土による損傷、細菌による損傷、カビによる損傷を含め、どのようなかたちであれ、目視で見つけることのできる被害や損傷のあるトウモロコシ粒および穀粒のかけらの割合です。
こうした損傷の大半は一種の退色や穀粒の質感の変化というかたちで現れる。割れていること以外に外見上の異常が見られない穀粒のかけらは損傷粒に含まれません。一般に、生育期または保管期間中の水分含有量や温度が高いとカビによる被害が発生します。損傷要因の中でも、カビによる損傷およびそれに伴うマイコトキシンの可能性は最も深刻な問題です。カビによる損傷は収穫前にも発生することがありますが、出荷前の高湿高温下での一時的な保管期間中にも発生する可能性があります。
●破損粒&混入異物(BCFM)
破損粒&混入異物(BCFM)は飼料や加工に用いることのできるクリーンなトウモロコシ粒の量を測る目安になります。BCFMの値が低いほど試料中に混入した異物や破損粒も少ないことを示しています。
異物(FM)とは、開き眼12/64インチの篩を通過しない大きな物質でトウモロコシ以外のもの、かつ、6/64インチの篩を通過する小さいすべての物質と定義されている。破損粒(BC)は開き眼12/64インチの篩を通過するほど小さく、6/64インチの篩は大きすぎて通過しないものすべてと定義されている。通常、農場から運ばれてきたトウモロコシから採取した試料の中でBCFMの値が高いものは、コンバインの設定または農場の雑草の種にその原因を見いだすことができる。No. 2のトウモロコシに認められる最低値は3%。この3%という値は商取引上のほとんどのディスカウントのベースとされる。採用する方法やトウモロコシ粒の安定性によっても異なるが、通常BCFM値は乾燥過程や取扱中に上昇する。異物(FM)は飼料や加工ではほとんど価値がなく、一般にトウモロコシよりも水分含有量が高く、そのため保管中のトウモロコシを劣化させる可能性があるという点を重視する必要がある。FMはスパウトラインにも関与しており、上に述べたように水分量が多いためにBCよりもさらに深刻な問題となる。
破損粒(BC)は完全粒よりもカビや害虫の被害を受けやすく、取扱中や加工中に問題を引き起こすことがある。貯蔵大型ビン内で拡散したりかき混ぜたりしない場合は、破損粒はビン内の中央にたまりやすく、完全粒は外縁に引き寄せられる傾向がある。この現象は穀物業界では「スパウトライン」として知られている。常にというわけではなくても多くの場合、このスパウトラインは中央の引き出し口から穀物を引きだすことで解消する。